音楽雑学

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ローリングストーンズ

ローリングストーンズは、とりわけ60年代においてR&Bとブルースに関する最良の水先案内人であり、またこの点で商業的に最も成功覚めた白人ロックグループだった。この背景にはストーンズにとって決定的に重要な反社会的イメージの源泉、ブルース今日のブライアン・ジョーンズがいた。
おそらく70年代以降のロックミュージシャンは、ストーンズが存在しなければ、チャックベリーやボーリドリー、マディーウォーターズ等の楽曲も的外れな解釈で出資しなければならなかったに違いない。
ただし彼らは60年代にしばしば対比されたビートルズを乗り越えたことはただの一度もなかった。1969年6月にグループを脱退し、直後にドラッグが原因で死亡したブライアンに代わってグループのカリスマ性を増大したのがミックジャガー。彼を中心に世界最高のロックバンドとして評価されるようになったのは、70年代に入ってからのことだ。いくら彼らはR&Bの狭いカテゴリーから脱却し、テンションの高いオリジナリティーに溢れたサウンドを確立。80年代をナンバーワンロックバンドとして乗り切っただけでなく、90年代のロックアーティストの年齢制限にチャレンジし相変わらずこの音楽の前衛に位置したがっている。

ザ・フー

ドラムセットを壊したりするコンサートにおけるその暴力性。ピートタウンゼントのギターの腕ぶん回し、キースムーンのキャラクター、不良の生活をリアルに行くかつリリカルに表現するスタイルがその後のロックに与えた影響あたり計り知れない。横ノリのグルーブではなく、縦ノリのビートを強調した、でもパンクを意識ではなく物理的に先取りしている。ギターソロで盛り上げるバンドが多かった時期に小粋なカッティングとスピードにはあふれるリズムで突っ走る感じはまさにスクーターにラジオつけて走り回った者のためのものだった。ロジャーダルトリーにしてもピートタウンゼントにしても、どこかアラン・シリトーあたりの労働労働者階級の文学気質が残っているところも大変計画的といえるかもしれない。

かなり早い時期からロックを一種の総合芸術として捉えていた節もあり、ロックオペラ「トミー」やピートの自伝的小説から派生した映画四重人格はその一環として見ることができる。ということはつまりその暴力的な雰囲気とは別にメンバー自身はインテリでもあったわけだが、魔術、神秘学系に走ってしまうオールウェーブが多かった中、最後までパンク、ニュー・ウェイヴに直結するラディカルさを保ったのはモッズという観念とスタイルが逆に一種の下部構造として働いたからだろう。

ビーチボーイズ

ブライアン、カール、デニスのウィルソン3兄弟、それにとこの米クラブを中心にした一種のファミリーグループで、1966年からしばしばメンバーの変動があったが、現在に至るまでバンドの中核はきわめて優秀なソングライターボーカリストでありサウンドのまとめ役でもあったブライアンウィルソンである。
1988年の全米ナンバーワンヒット「ココモ」が示しているようにグループの活動歴は長く、様々なレベルで常にロックやポップ界の第一線であり続けた。が全盛期時代はビートルズに対抗できる唯一のアメリカンホワイトグループとしてヒットシングルを連発していた60年代だった。

サウンドの基本は「サーフィン U.S.A」や「ファン ファン ファン」等に現れているといいとおりチャックベリーのギタースタイルとファルセットボイスをフューチャーした4フレッシュメンばりの成功な4声ハーモニーにある。また、60年代前半のアイゼンハワーとケネディー時代における豊かなAmerican way of life、白人中産階級のクリーンで安全なライフスタイル反映したサウンドにあった。60年代中盤以降シリアスなアルバム創造にもチャレンジしているが、その後も持続した彼らの人気は、基本的に初期の黄金時代へのノスタルジアに依拠している。