音楽雑学

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ギターやボーカルにまつわる雑学のページ

ノリ

ノリはその良し悪しを言う場合と、その種類等いう場合があって、種類をいう時はノリは「感じ」や「雰囲気」にほぼ使えることができるのではないだろうか。ただしその感じとか雰囲気というものはあくまで音楽的なそれであるから、歌詞の内容やアレンジメントばかりでなく、ちょっと聞いただけでそれとわかる一環したスタイルがあるアーティストの名前を引かなければ使えない用語ということになる。「デュランみたいなノリ」でというのはわかりやすいが「ビリージョエルみたいなノリ」でというのはわかりにくいのではないだろうか。

ノリの良し悪しを言う場合、問題は躍動感だ。極端な場合、曲の構成はシンプルなスリーコードでもワンコードでもいいから、踊りだしたくなるような演奏することがノリにとっては重要で、曲の構成や完成度とは別の問題になる。この意味のノリはグループに近いが、グループが、どちらかというとゆっくりしたの感じをいうのに対してノリはエネルギッシュで躍動的な、緊張感に満ちた感じのことをいうことが多いようだ。ブラジルのサンバなどはノリだけの音楽の例だと言える「ノる」、「ノってくる」という言い方では結ぶ躍動感ということが多く、強烈でエネルギッシュなビートを暗示することが多いのではないだろうか。

グルーヴ

グルーヴは感覚的な概念で、かなり恣意的に、優れた音楽や演奏に不可欠な何者なのかを指す言葉として使われる。原義は「溝、細長い凹部」、転じて「慣例」、「常軌」となりインザグルーヴ辺りから音楽用語となった。日本語のノリにも規則基準といった意味が潜んでいるから、講義にはグループ=ノリと考えてよい。優れた音楽や演奏にはノリが不可欠なのである。今ではいろんな音楽でグループがあるなどというがそれでも縦ノリの音楽つまりレゲエやスカ、パンクにはあまりなじまない。グルーヴと上下の動きは相性が悪い。

また副題にフィーリングルービーというサイモンとガーファンクルの「59番街の歌」の歌詞を考えると慌ただしい感じもグループとはなじまない。逆にグルーヴはレイドバックしたロックやバラードと相性が良い。さらに「ドン・ジスターブ・ディス・グルーブ」といった表現があるようにグループは瞬間の感覚ではなくてある程度の真持続する感覚である。してみるとツボにはまってゆったりなめらかに滑っていく感覚、つまり疾走感や滑空感あたりがグループに重なる部分の大きい日本語のように思われる。

変拍子

ロックのリズムで最もポピュラーなものは4拍子、もしくは3拍子などが主に使われるが、これがときには5拍子や7拍子、9拍子といった変則的な表示が採用される場合がある。ロックにおける変拍子は、あくまでも独特なドライブ感を損なうことなく疲れるのが基本なのだが、美容師リフの展開などを見ると、これが通常表紙の字余り字足らずの形式を取って不思議なグルーヴ感を出せることが多い。

ダンスミュージックには不向きだが主にプログレッシブ・ロックやジャズ・ロックにおいて、利用者が広く認められプレイヤーとりわけドラマやベーシストには高度なテクニックとリズム感が要求される。サンプルとしてはソフトマシンや後期クリムゾンをはじめとするブリティッシュ系ジャズロック全般、さらにはジェネシスやジェントルジャイアントといったシンフォニック全員も何気に凄まじい変拍子を鼻歌まじりで演奏するつわものぞろい。ユーロロックに目を向ければイタリアのアレアやスエーデンのサムラママスマナなどがロックにフリー・ジャズや自国の民族音楽を強引接ぎ木した複雑極まりないリズム展開で有名。アメリカだとフランクザッパとそのステータスのプレイが代表的か。さらにラッシュから最近のドリームシアターに至るプログレハード勢の変拍子にも印象的なものがある。

インプロビゼーション

かのデレクベイビーはちょっとインプロビゼーションにおいて古典音楽やインド音楽から現代のジャズやロックにおける即興演奏までを広く考察しているが、ことロックにおける即興の期限にはやはりブルースアドリブプレイからの直接の影響関係が指摘されている。プレイヤーの独創的なアイディアとテクニック、音楽的な構成力などが瞬間的に発揮されるため、即興演奏は成功すると非常にスリリングな場を形成する。60年代後半になるとロックにおいてもミュージシャンの演奏能力の向上に支えられ決められたメロディーラインを再現する単純な演奏携帯から出すかつ長時間のライブインプロビゼーションへの移行が目立ってきた。
ただしクリームに代表される1連のアート・ロックの特徴であった長時間のソロ演奏は任意のコードバッティングやリズムキープの上に立脚した、いわゆるアドリブくらいのレベルであり、より自由度の高い即興演奏がロックで展開されたのはやはりキングクリムゾンの出現渡なければならない。クリムゾンは一貫して即興演奏に意欲的だったとりわけ73年に1時参加した、打楽器奏者ジェイミーミューアの影響から自己のライブでは類い稀なる高度な即興演奏披露してポピュラー音楽におけるインプロビゼーションの1つの到達点を極めたことは有名である。