音楽雑学

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ノイズミュージック

ノイズミュージックが多くの注目を集めるようになったのは、70年代後半に登場したスロッピング・グルッスル、SPK、キャバレーヴォルテールなどのインダストリアルミュージックによると言える。
その後のノイズの展開は多様だ。heart noiseのメルツバウやマウリッツをビアンキ、内省的なノイズとも言える音楽を生み出してきたスムースティートヘンスやジョン・ウォーターマン、またソビエト・フランスは工業的なノリとは逆にプリミティブなノイズと言われることがある。既存の音や音楽をサンプリングするサウンドコラージュの大友良英もノイズのジャンルに入れることが可能である。

hard noiseを除いてノイズがなおかつミュージックといえるのは、多くの場合、リズムだけは音楽のセオリーに依存しているからかもしれない。ティージー、SPK、あるいはアインシュツツェンデ・ノイバウンデン、この分野の草分け的グループはノイズをパーカッションのリズムに乗せるという方法では共通している。他方でノイズの起源を未来派の総合芸術に遡ることもできるし、フリー・ジャズやフランクザッパの即興に見い出すことも可能だ。要は制度化された手法や世界観を拒否することの表現であればそれはノイズミュージックと呼んで差し支えないのだ。

エクスペリメンタル・ロック

ミニマル・ミュージック以後の現代音楽と今のプログレッシブバロックは大きく重なり合っている。ロック世代の音楽家がかつて真面目な音楽と言われたアカデミックな西洋音楽の世界に進出していることもあるし、テクノロジー、ボーダーレス化、あるいはエイズといったコンテンポラリーなテーマを表現するのに、ロックが有効だからでもあろう。そもそもミニマル音楽とロック、ジャズには近親性があり、代表的なミニマル音楽テリーライティーや、ラモンテヤングにはジャズ音楽家としてのキャリアもある。ジョンケール、坂本龍一など、アカデミックな現代音楽を勉強したロック音楽家もいるが、どちらからどちらへの影響というよりも同じ時代に呼吸しているがゆえの結果と考えるべきだろう。

こうした結果の先駆は60年代からあるが、顕著になってきたのは70年代以降だ。例えばアレアのボーカリスト、デメトリオシュトラウスの声の探求はまさしくエクスペリメンタルだったし、イタリアのクランプス、ドイツのブレインなどのレベルにはロック音楽家と現代音楽家の70年代の遭遇が記録されている。そして70年代、デビッドカニンガムのピアノレベルやイーノオブオールオブスキュアーレーベルはよりポップな文字通りのexperimentalポップを送り出した。

インストゥルメンタル

インストゥルメンタル・ロックは基本的にノベルティー物の1種でアメリカではロック音楽の決定的なジャンルとして認識されたことは1度もない。ただし50年代の後半から60年代の初期にかけて1つのトレンドになったことがある。
そもそもインストロックの起源は50年代後半に人気を博したギルドジェット、コージー・コールのサウンドにあった。すなわちブギースタイルのピアノやジャージがサックスをフューチャーとしたR&Bコンボのダンスナンバーだった。ほどなくデュアンアディーに代表されるギターサウンド主体のアーティストが出演し、インストロックはレコード界のメインストリームに躍り上がってくる。ベンチャーズはそのコンボ版として知られているが、彼らは全米規模でこのジャンルをすることに貢献し、同タイプのバンド排出の契機をなした。そしてビートルズ出現、夜に彼らをプロトタイプをしたサーフィン&ホットロッド系のエレキインストグループがこのサウンドを1つのトレンドに押し上げた。が、純粋なインストバンドはず暫時減少し、70年代に取れていたるとこのジャンルのヒットレコードは激減。今やまさにノベルティーとして録音されるかノスタルジーの対象と化している。

ブリティッシュトラッド

50年代のフォークリバイバル以降イギリスでは伝統音楽に新たな生命を引き込もうとする様々な試みが行われてきた。もともとは無伴奏で歌われてきたバラッドに、曲の旋法的な音楽構造を損なわずにギターの伴奏つけて歌うスタイルがマーティーカシなどなどによって生み出され、ジャズやブルースの要素を大胆に取り入れたペンタングルのようなグループも現れた。しかし70年代初頭のフェアボートコンベンションによるエレクトリックフォークの衝撃的登場こそが、伝統音楽の現代化に新しい局面を開いた。

彼らは電気音楽とロックリズムを大胆に導入した重厚なサウンドで、しばし殺人や姦通、超自然的なものが歌われるトラッドなドラマチックな内容を現代に蘇らせたのだ。このエレクトリックフォークは音楽史的な文脈で見れば、究極的にアフリカ起源のサウンドの応用であるロックンロールの方法論も取り入れ、触媒に対して、同じことを文化、非西洋という概念に含まれるルネサンス以前のヨーロッパの音楽文化を蘇らせる試みだと考えられるRock'n'Rollの影響が伝統音楽をよみがえらせた、でエレクトリックフォークはワールドミュージックの先駆として再評価されるべきだ。